「世の中ラボ」は、ニュースやトレンドの中身を知るとともに、L25世代の意識調査から自分のキモチや男&女ゴコロの違いを考える特別研究室です
今週の研究テーマ!
レジの前でお財布を出したり、しまったりする光景よりも、こんなふうにスマートに支払ってくれるとステキじゃない?
割り勘文化は他の国にもある!
諸外国のデートの支払い方って?
寒さもやわらぎ、彼との外出も増える時期ですが…デート中に悩むのが支払いのこと。「私も出す?出さない?」と妙にドキドキ。でも、外国映画ではそんな場面見ない気が…。諸外国のデートの支払い方を異文化コミュニケーションに詳しい江戸川大学・斗鬼正一教授に聞きました!
「“男性を敬うべき”という儒教文化が浸透している韓国や中国などは男性が支払うのが基本です。ここ最近、変化してきてはいますが、女性が支払うと『経済的に余裕がない男性』と見なしたこととなり失礼に当たります。割り勘も『貸し借りを作らずあっさり断ってる間柄』といつ冷たい印象に…。逆に、オランダやアメリカなどは男女間で上下を作らず対等に付き合うため、割り勘が主ですね」
なるほど〜。でも、アジア圏では“おごり”が多いのに、なぜ日本は割り勘文化も浸透しているの?
「もともとは、日本も男性が支払うのが当然だったんです。ただ、他のアジア諸国より早く男女平等が進んだ結果、割り勘が浸透し始めたんです」
支払いには男女の関係性が表れるのね。みんなはデート中の支払いどうしてる?
諸外国のデート中の支払い
割り勘が多い国
アメリカ、オランダ、イギリス、ドイツ、イタリア、フランスなど
男性が支払うことが多い国
韓国、中国、書港、タイなど
日本や韓国は、男女の関係が変化している途中なので、おごりか割り勘か悩む女性が多い。ちなみにイギリスは、友人同士の場合、誰かが順番におごる“ラウンド文化”が浸透している。これは、「つれにほかに負債を抱えている状態」なので、関係を永続化させるのに有効
みんなはどう思っているの? 「2 5 m o b i l e 」および「R 2 5 式モバイル」で集まったアン ケート結果から、同世代の意見& 微妙な男ゴコロをリサーチ
2008年1月31日-2月4日に実施された両サイトの意識調査コーナーのアンケート結果より作成/20歳34歳の男女4201名
Q1 デートで食事するときの支払い方法、あなたはどれが多い?
おごられる 47.2%
おごられる おごられるのが普通かな?っておもいます ともこさん24歳
ごちそうになる お茶代くらいは少しだけ払ったりします まいさん29歳
おごってもらう 相手の収入が多ければおごってもらう エリさん33歳
おごりが多い いつもおごってもらうから、その分、別の機会にお返しをしています みゆ
べいさん 21歳
割り勘 全額出してもらうのはやっぱり申し訳ない・・・ りかこさん 24歳
半額 支払は彼がして、あとで半額渡してます さっちゃんさん 24歳
基本割り勘 彼とはお財布は別々にしています たまきさん 33歳
08年2月2日に銀座周辺にて、アンケートにご協力いただきました。ありがとうございました
その他の意見/「彼が10コ年上だからいつもおごり」(27歳)、「対等でいたいから割り勘にしてる」(29歳)といた女性声も。ちなみに「相手が年下の場合はおごる」(30歳)という男性も。相手とどんな関係性でいたいかがポイントかも
Q2
女性の6割以上が当然とは思ってない。 「私のことが好きならおごってほしい」( 2 7 歳) 、「収入いいならおごって当然!」 ( 3
1歳) といった意見もあったけどほとんどの女性がおごってもらった場合は「その後のお茶代は出す」(27歳)、「お返しに後の家でご飯を作ったり、婦除する」(25歳)と、様々な方法でお返しをしてる様子。ちなみに男性に「女性におごるのは当然?」と聞いたところ、いいえが58.8%で女性とほぼ同様の回答結果に。「当たり前だと思われると二度と払いたくない!」(28歳)というのが男性の本音みたい
Q3 いくらまでなら気にせずにごちそうになれる?
「贅沢したときには、彼の負担にならないよう割り勘にする」(26歳)、「高額になったときも彼がおごってくれて申し訳なかった 」(29歳)と答えた女性の“高額”'とは、5000円がボーダーラインみたい。男性の結果も5000円と答えた人が約半数だったけど、「1万円」と回答した人も25.5%と意外と多かった。「彼女より多く飲むから1万円くらいなら出す」(30歳)、「『1万円まではオレが払』と決めて、それ以上は出してもらってる」(23歳)と自分の中でルールを決めてる男性もいる!
Q4 食事代が1万円だとしたら、払うのはだいたいいくらくらい?
「彼女がトイレに行った際に全額払う」(30歳)、、「つねに自分が多め。おごるより彼女も気を使わなくて済むから」(28歳)など、男性は全額もしくは8000円は支払うという意見が圧倒的!しかし、女性の意見は「基本、割り勘!」(25歳)という人が46.3%。この意識の差は、“おごった印象”が強く残る男性の特徴!?
Q5 割り勘にしたいなと思うのは、何回目のデートから?
「おごってもらうのは、仲が深まってから」(25歳)、「1回目は割り勘。徐々に2人で支払い方法を決めていきたい」(25歳)など、最初から割り勘がいいという女性が4割。一方、「初回で割り勘だったら、後々気楽」(33歳)という男性も。初デートの支払いって結構重要かも・・・
Q6 おごる金額と愛情は比例する?
2人で楽しく食事できればいいが多かった。ちなみに女
「おごった金額で愛情をはかるなんてナンセンス」(33歳)、「金額どうこうより、2人で楽しく食事できることが大事」(22歳)、と、愛情と金額を全くの別モノとして考えている男性が多かった。ちなみに女性も「比例しない」が78%と圧倒的!
今週のまとめ
ABOUT L25 WOMAN
女性はおごられて当然!
今やこの意識は少数派
意外と割り勘派の女性も多いんですね― 富田先生、この結果をどう思いますか?
「恋人と対等な立場でいたいと思う女性が増えているのでしょう」。バブル時代には、男性がおごるのが当然で、おごられることは女性にとってのステータスでもありました。しかし、Q2の結果からもわかるように、現在は、女性の6割以上がおごられることを当然だとは思っていない。それは、経済的に自立した女性が増え、貸し借りのない関係性を求めるようになってきたからなんです。恋愛が日常化した現代では、デートする相手と必ずしも結婚にまで至るというわけではないですから、むやみに借りを作ることなく、自由な立場でいたいんでしょうね」
MAN and WOMAN
実は「おこってるつもり」の男性が多い!?
Q4の「1万円の食事代のうち、いくらぐらい払ってる?」という問いに、約半数の女性は「5割」、つまり“割り勘”が多いと回答。でも、男性は「自分が多め」、「全額負担している」と答えた人が多数。この意識のズレはなぜ生まれるの?
「男性にとっておごるという行為は、経済的なパワーをアピールすることであり、一人前の男としての快感でもあるんです。そのため、「全額支払った」、「少し多めに払った」といつ記憶は、“快体験”として強く残ります。しかし、男女の給与差が少なくなっている現代では、女性も半額近く負担している場合が多い。つまり、この金額の誤差は、実際に支払っている金額を正確に答えている女性と、インパクトのある記憶からイメージで答えている男性との意識の違いなんでしょうね」
FINAL RESULT
順番に出し合えば対等な関係でいられる
「おごるという行為には、相手との力関係を明確にする側面があるんです。だから、時にはおごってもらうことも、経済的なパワーを見せつけたい男性の欲求を満足させているんですよ。ただ、フェアな関係でいたいなら、『この前はおごってもらったから今日は私が…』と、バランスをとるのもいいでしょう。また、おごってもらった時にきちんと感謝の気持ちを言葉で伝えることは、形だけお財布を出してみせるよりも重要ですよ(笑)」
デートの支払いには、2人の関係性が見え隠れしているのかもね!
今週の分析官
富田隆先生
心理学の領域のみならず社会問題や芸術など多方面で活躍。『デートの心理学』(ゴマブックス)、『「ハナシ上手」になる心理術』(角川書店)など人気著書多数。
「世の中ラボ」ではアナタの意見を大募集中!
取材・文:榛村季溶子、長尾薫(Short cut)、撮影::桜井としき、庄司直人(TFK)