斗鬼正一研究業績
清潔感、廃棄物、掃除、ゴミ問題


「漁師町の空間と海−海産物の導入、廃棄の事例から−」

200
2(平成14)年2
『離島「隠岐」の社会変動と文化 学際的研究』,、第4章(P101P127)小坂勝昭編著、越智昇、阿南透、宇野正人、松浦康麿、松浦道仁、柚原恒平共著
御茶の水書房 、

概要



「クライストチャーチの都市空間と行動の統制」

2000(平成12)2
『情報と社会』第10号、江戸川大学

概要

 文化によって作られた都市の内部に発生する自然である人々自身の本能的行動が、どのように統制されているかを検討することによって、ニュージーランドの都市と、それを作り上げた文化を考察した。事例は行動の統制、すなわち飲食、飲酒、喫煙、排泄、音、熱狂行動、犯罪、移動、空間占有、行列、落書きといったマナーに関する文化である。
 91−p103(全176ページ)



「クライストチャーチの都市空間と清潔感」

1999(平成11)2
『情報と社会』第9号、江戸川大学

概要
 入居、住居の掃除、ごみ処理、下水処理、雑草の扱いといった事例からニュージーランド人の清潔感を報告。汚れを動物としての人から生じる自然、清潔化をそれに対する文化による統制ととらえ、都市空間が文化により徹底的に統制された空間として確保、維持されるのに対し、身体、住居空間の清潔化にはさほど熱心とはいえないニュージーランド文化の背景にあるのが、家族、近隣市民といった我々意識であることを示した。



「香港の都市空間と社会−汚れと自然の視点から−」

 1998(平成10)10
『アジア世界:その構造と原義を求めて(下)』 、第4章、大胡欽一編、渋谷研,石川浩之,馬淵悟,木佐木哲朗,森谷祐美子,杉井純一,高桑史子,柵橋訓共著、八千代出版

概要
 自然の支配する空間から,都市空間がどのように切り取られ、文化によって統制、確保されているのかを,清潔感に注目し,香港の人々の我々意識との関連において検討。人々自身の作り出す自然である汚れ,清潔化への文化による統制の事例から,文化の作品としての都市とは何かを展望した。
p.55p.71(全211ページ)


「都市問題への文化人類学的視点」

1991(平成3)4
『東アジアの文化人類学』II部都市と村落の構造 第4章、大胡欽一,高桑文子,山内健治編著、大胡欽一,高桑史子,山内健治,石川雅信,大胡修,林研三,加藤正春,石井昭彦,安田ひろみ,木佐木哲朗,森谷祐美子,安部宰共著、八千代出版

概要
 深刻な都市問題である廃棄物の問題を、政治、経済、工学等在来の視点とは異なった都市人類学的視点から考察。捨てるとは、汚いとはどういうことなのか、といったこれまで等閑視されてきたもっとも基本的な問題に始まり、都市空間の不可視化、異文化間の摩擦等他の都市問題との関係をも検討し、問題への新たな理解と解決への方向性を示すとともに、都市という新しいフィールドに於いて文化人類学がどのような力を発揮できるかを提示した。
p.99
p.120(全371ページ



「廃棄物の象徴的機能についての一考察−都市空間に関する文化人類学・社会心理学的視点−」

1987(昭和62)9
『明治大学社会・人類学会年報」第1号、人間の科学社

概要
 廃棄物が単なるゴミではなく、象徴的機能を評価、利用され、それによって生態学的にも優れた処理を可能にしている事例を示し、廃棄という行為、清潔感等の意味論的分析の問題解決に対する有効性を通して、政治、経済、工学等の問題とされてきた廃棄物に文化人類学、社会心理学の光を当て、都市という新しいフィールドにおいても文化人類学が大きな力を発揮できることを示した。
 p.138p.148(全227ページ)



「道の物質文化論II−新潟県津南町見玉に於ける物質文化の導入・配置・廃棄を事例として−」

1980(昭和55)2
『明治大学大学院紀要』17集、明治大学

概要
 生活の理解には「もの」との関わりの理解が不可欠である。そこで衣服、履物の購入先、住居空間内への配置、行き先別使い分け、古くなるにつれての転用、配置の変更、掃除、廃棄物処理に伴う移動、給排水の経路等、空間と関連した事例による「もの」の移動の道を検討し、「もの」は決して身体保護、食用といった通例考えられる機能だけでなく、多くの意味的機能を評価され、利用されていることを示した。
 p.93p.108(全476ページ)