フジテレビ系 『とくダネ』
      「ニュースの賢者たち」に出演
   宮崎県東国原知事発言をこう見る

                 2009年6月27日8時−



出演:

 小倉智昭、中野美奈子、半田健人、加藤秀弘、斗鬼正一、海堂尊、おすぎ

半田:
 みなさんおはようございます。半田健人です。「ニュースの賢者たち」始めますけども。さあ今週のテーマですね。こちらです。
 東国原知事のビックリ発言、どう受け取るか。ちなみにですね、復讐いたしますと、先週火曜日ですね、このようなことを。
 私を次期総裁として、次の選挙でお戦いになるお覚悟はあるのか、ということなんですけれどもね。
 まあ僕からすれば、さっきの小芝居でもういっぱいいっぱいで、とても恐ろしくて、まだ言えません、ということなんですけども。いかがですか小倉さん、どういうふうにお感じになりますか。

小倉:
 おもしろい発想だなと思いますけどね。

半田:
 発想的にね。

小倉:
 彼一人の考えで本当に言っているかどうかと思いましたけどね。何か裏の狙いのようなものがあるのかとかね、いろいろなものを想像してしまいますけどね。 

半田:
 まあ今日もそんなニュースを 読み解いていただく賢者たちをご紹介いたしましょう。 二回目の登場となりますね。鯨を追って世界中の海を旅する男。鯨の賢者加藤秀弘さん。東国原発言には、海の王者マッコウクジラの出す音波との共通点があると、指摘しておられます。
 そして、実際に歩いて見て回ることで、文化とそれを作り出した人間について考察する文化人類学の賢者、斗鬼正一さん。
 日本のある伝統芸能のルーツが、東国原知事の今後を占う重要な鍵を握っているそうなんですね。

 賢者が見るとニュースはこう見える。

 賢者加藤秀弘
  略

ナレーション:
 フィールドワークで世界各国を歩き尽くし、文化やその形成に携わった人間を探求する文化人類学の賢者、斗鬼正一。

斗鬼:
 東国原さんの発言聞きまして、私が、あっ、まさに「そのまんま」だなと思ったのは、歌舞伎の創始者であります、出雲阿国、なんですね。



ナレーション:
 東国原知事の発言から受け取るべきメッセ―ジは、日本の伝統文化、歌舞伎のルーツにあった。

 CM

ナレーション:
 文化人類学の賢者斗鬼正一は、選挙に出るなら総裁のイスを、という東国原知事の発言が、歌舞伎のルーツ、出雲阿国の人生を彷彿させると指摘する。
 出雲の阿国。島根県という片田舎から上京し、江戸という文化の中心で独自の踊りを確立し、歌舞伎の基礎を築いた日本伝統芸能のルーツ。
 阿国が独創的だったのは、それまでの舞や踊りと異なり、女性が男装をして、茶屋の女と戯れる様子を演じた点にあった。
 しかし、革新的すぎたその踊りは、当時の江戸社会で、風紀を乱すという理由で受け入れられず、阿国は晩年故郷に戻り、尼になったと言われている。

斗鬼: 
 日本の文化がですね、大きく転換する時には二つの要素があるんですね。でそのキーワードって言いますのは、一つは、身分不相応、ということです。もう一つがですね、地方から中央へ、ということですね。この二つがキーワードになっているんじゃないかなと思います。 
 彼女自身がですね、貧しい、あるいは人々から差別されてた、卑しい身分の出身だったんですね。
 そしてもう一つは、田舎から出てきた人、ということで、とても風俗的な踊りをしてしまったわけで、それが人々の酷評を招いた、ということです。



ナレーション:
 確かに、重要文化財である「阿国歌舞伎図屏風」には、扇で恥ずかしさを隠す見物客の姿が描かれている。
 一知事が総裁ポストを要求するという身分不相応な点、さらに宮崎という地方から東京という中央に進出しようとした点で、阿国と共通する東国原知事。

斗鬼:
 出雲阿国もですね、人々の反発を受けてですね、都落ちしてしまったわけですよね。そういう風に考えますとですね、まあ東国原さんがもし選挙に立候補されてもですね、人々の反発を受けてですね、受け入れられない危険性というのを、もしかして生み出してしまったんじゃないかな、という風に思いますね。

ナレーション:
 確かにFNNの最新調査でも、およそ6割の国民が、今回の東国原知事の発言に反発している。
 だが賢者斗鬼は、東国原知事の発言が、私たちにもたらす影響を、阿国の残した歌舞伎に見ることができるという。 

斗鬼:
 阿国は失脚しましたけどね、歌舞伎はその後も革新を重ねて、今やもう日本を代表する芸術になって残っています。
 まあ東国原さんはこれからどうなるかまだわかりませんけども、彼の提案もですね、これから日本の社会、日本の政治を大きく変えていく可能性はあるかも知れないですね。




半田: 
 というわけで、実は出雲の阿国のストーリーとはね、ずごく被るところがあったわけなんですが、僕なんかからするとですね、非常にもうほんとびっくりして、そういうことが可能なのかどうか、そこまで詳しいわけではまだないですね。 
 あの海堂先生、前室でちょっと面白い話をされていましたけれど、このことについてどう・・。

海堂:
 略