産経新聞 2016年8月23日大阪朝刊 大阪府下版 一部転載

【アングル】エスカレーター 大阪右立ちが世界標準
 阪急梅田駅で半世紀前から

 江戸川大学の斗鬼正一教授(65)=文化人類学=によると、日本で、片側を空けて立つようになったのは、昭和42年の阪急梅田駅が最初。東京で左立ちが始まったのは梅田駅より20年以上遅れた平成元年ころで、営団地下鉄(現・東京メトロ)新御茶ノ水駅で自然発生的に起きたという。また年月は特定できないものの、JR東京駅や新橋駅の地下でも近接した時期に行われるようになった。

 斗鬼教授が昨年発表した論文では、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ハンガリー、中国、台湾、韓国、香港などが、右立ちで、圧倒的に多い。左立ちはシンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどだ。

 論文では、左右どちらに立つかは大部分、車などの通行法と一致しているという。つまり、右立ちの国は右側通行で、左側が追い越し車線に、左立ちの国は左側通行で、右側が追い越し車線になっており、車と同様、急いでいる人が追い越し車線を通り抜ける。ただし、左側通行なのに右立ちの大阪や英国、香港は例外で、大阪では阪急梅田駅などの呼びかけが通行法と逆だったためという。

 ◆韓国2列立ちやめる

 近年、各鉄道事業者は、エスカレーター上を歩かないよう呼びかけている。転倒事故を防止するためだ。

 だが現在も、大阪市内の阪急梅田駅や南海難波駅のエスカレーターで乗客は右側に立ち、急いでいる人は左側を歩いて通っている。

 斗鬼教授は「エスカレーターが複数あれば、『こっちは立ってください』『こっちは歩いてもいい』としてもいいのでは」と提言する。       戻る