東京FM「ブルーオーシャン」に出演
    2010419日10時40分〜45分

東京survive 2010!幻想  「東京っぽいって、何だ?」

望月理恵: 東京サバイブ2010。東京の五つの魔物を徹底攻略です。あなたの毎日をワンダーランドに変える強化ウイークを展開中。ブルーオーシャン。
 幻想を攻略した今日のテーマは、「東京っぽいって、何だ?」。ということで皆さんからメッセージたくさんいただきました。ありがとうございます。
 人、物、場所いろいろありました。一番多かったのは、やっぱりね、おしゃれな人、さりげなーくおしゃれをしている人、そして年齢に関係なく自分のスタイルを持った人、と言う意見がとても多かったです。
 確かにね町歩いていて完璧って人多いですよね。ちょっとしたなんかこう変なデザインのTシャツなんだけど、なんかそれも似合ってる、しかもそのTシャツ1000円くらいですよねと思うと、15000円ですとかって、えーそんな値段っていうね、えーじゃあやっぱりああいう値段のもの買うと東京っぽくなるのかなとか、いろんなこと考えてしまいますけど。
 東京っぽいという幻想、さあ今日はですね その魔物の正体、ずばりこの人に答えを出していただきたいと思います。
 文化人類学者でいらっしゃいます、江戸川大学教授、斗鬼正一さんです。電話つながっているようです。もしもし・・。

斗鬼正一: はい、斗鬼でございます。おはようございます

望月: おはようございます。望月と申します。よろしくお願いします。

斗鬼: はい、よろしくお願いいたします。

望月: 今日はですね、東京っぽいって何ですか、ということでやってきたんですけど、何なんでしょうか?

斗鬼: 東京っぽいものですね。私、食べ物に例えるとですね、アンパンとかですね、バイキング料理じゃないかなと思ってるんですね。

望月: えっ?アンパンとかのバイ・・?

斗鬼: アンパン、バイキング料理。

望月: バイキング料理?えっ、どういうことですか?

斗鬼: アンパンはですね、和洋折衷ですけどおいしいですねよね。
 それからバイキング、何でもありますよね。多様性、異質なものが、ごちゃまぜになってますよね。で柔軟ですね、どんなものでも新しく入ってこられますよね。それぞれのコーナーはイタリアンとか独立しているかもしれないけど、全体では何となく統一されているだけで、食べるお客さんも色々だし、自分で好き好んで勝手に食事作ってますよね。なんか東京とても似てるんじゃないか、と思うんですね。

 まず人ですけども、江戸時代から参勤交代でね、全国から人集まってますよね。今もそうですよね、国際化してどんどん人が集まってます。

望月: そうですね。

斗鬼: それから江戸の都市計画、東京の都市計画考えた時もですね、とにかくいろんなものを全国集めてるんですよね。
 たとえば鶯谷って、何でなんで鴬谷っていうか御存知ですか?いや実は、江戸時代の初めころね、京都からですね、鶯持ってきて放したんですね。それで鴬谷なんですよ。
 それからヨドバシカメラの淀橋、あれだって淀川ですもんね、語源は。

望月: ああそうですね、淀橋。

斗鬼: 上野はね、大仏もあったし清水の舞台もあったし、京都のコピーだらけなんですよね。

望月: ふーん。

斗鬼: とにかく寄せ集めです。今もですね、全国都道府県の木がね、皇居にあったりね。 
 それから、世界ってのもたくさんありますよ。っていうのは、たとえば明治の都市計画。煉瓦街作ったり、一丁倫敦作ったり、一丁紐育作ったりね。それから東京駅はヨーロッパの駅のコピーじゃないですか。
 それから今ですとね、お台場なんてね、東京マンハッタン。マンハッタンのコピーですよね。

望月: あー、すべてがコピーなんだけど、でもまあそれがこううまくあわさって。

斗鬼: そうなんですよ。だから統一原理っていうのがね、ないんですよね、あまり。

 それから、だいたい江戸だってね、江戸の境界ってどこだかよく決まってなかったんですよね。今だって東京ってどこだかよくわからないじゃないですか、空から見ても。

望月: へー。

斗鬼: ええ、だからパッチワークみたいなね、ものが、たくさん寄せ集まって、なんとなくできている町という。

望月: はあ、だからこそよけいナントカっぽいということもよく言われるんですかね。今日はメッセージいただいた中で、やっぱりおしゃれな人が多いということいただいたんですけど、人に関してはいかがですか?

斗鬼: ええ、やっぱりですね、人ってのは、異質のものと出会っていくと、だんだんだんだん洗練されてくるってことありますよね。そういう点でやっぱり東京って、世界から日本から、いろんなもの、人が、情報が、集まってるから、中の人たちがだんだん洗練されて、磨かれて、おしゃれになってくると、そんなことあるんじゃないですかね。

望月: じゃやっぱりこう、人に出逢って磨かれているっていう。

斗鬼: ええ、常に東京って舞台みたいなもんですもんね。

望月: おー。

斗鬼: いつも見られてるわけでしょ。みんな見られてること意識しているわけですよね。

望月: はー、東京は舞台。うん。じゃ、かなり緊張感がある町ですね。

斗鬼: そうですね。だけどゆるやかなんですよ、東京って。うん。住む人からすれば、どうにでも暮らせる自由な町だし、それから歴史の町でもありますけど、東京ってね。そんなものも隠れてるわけですよね。
 で、それでもう、絶対にこうだ、というのがあまりはっきりしない町だから。うん、言ってみれば、とても寛容っていうんですかね。

望月: わかりました。ありがとうございます。
 舞台でまあ緊張感ある場所だけれど、でも、いかようにも過ごせるっていう。バイキングでありアンパンであるっていう。

斗鬼: そうです。だから国際化の時代には、こういう街ってとってもいいんじゃないですかね、創造性があって、活力があって。

望月: わかりました。ありがとうございました。
 文化人類学者、江戸川大学教授でいらっしゃいます斗鬼正一さんにお話し伺いました。
 東京というのは舞台であると。いかようにもですよ。だからぽいって言葉がまあよく使われるっちゃ使われるってことなんですね。はあー。
 だから本当、描いてる幻想ってのみんなそれぞれ、ってのはよくわかりますね、うん。
 さあどうでしょうか、幻想という魔物、攻略できてますか?