斗鬼正一研究業績 ニュージーランド・クライストチャーチ市の都市人類学的研究 |
「クライストチャーチの都市空間と行動の統制」
2000(平成12)年2月
『情報と社会』第10号、江戸川大学
概要
文化によって作られた都市の内部に発生する自然である人々自身の本能的行動が、どのように統制されているかを検討することによって、ニュージーランドの都市と、それを作り上げた文化を考察した。事例は行動の統制、すなわち飲食、飲酒、喫煙、排泄、音、熱狂行動、犯罪、移動、空間占有、行列、落書きといったマナーに関する文化である。
p91−p103(全176ページ)
「クライストチャーチの都市空間と清潔感」
1999(平成11)年2月
『情報と社会』第9号、江戸川大学
概要
入居、住居の掃除、ごみ処理、下水処理、雑草の扱いといった事例からニュージーランド人の清潔感を報告。汚れを動物としての人から生じる自然、清潔化をそれに対する文化による統制ととらえ、都市空間が文化により徹底的に統制された空間として確保、維持されるのに対し、身体、住居空間の清潔化にはさほど熱心とはいえないニュージーランド文化の背景にあるのが、家族、近隣市民といった我々意識であることを示した。
p95-p108(全176ぺーじ)
「都市空間・植物・エスニックアイデンティティー−クライストチャーチの予備調査資料から−」
1998(平成10)年2月
『情報と社会』第8号、江戸川大学
概要
イングランド、スコットランド、アイルランドなどからの移民であるニュージーランド人の植物への対応をアイデンティティの変動に注目して検討。新天地の固有種を排除し、祖国の植物相を創造しようとした人々が逆にニュージーランド固有種を復活保護しようとする背景に、ニュージーランド人としてのアイデンティティへの希求があることを示した。それを通して、排除、保護とともに、自然を徹底的に統制しようとするニュージーランド文化の自然観、また、そうして作られた都市がどのようなものとしてとらえられているのかを考察した。
p.101〜p.109(全168ページ)
「クライストチャーチの都市空間と動物−予備調査資料から−」
江戸川大学1997(平成9)年3月
『情報と社会』第7号、
概要
国土、牧場、都市空間、住居空間という空間分類との関係に留意して、繁殖、ペット、命名、清潔化、愛護害獣駆除、そして死体処理といった動物に対する統制の事例を調査。自然の動物は国土全体のレベルで文化により徹底的に統制するべきとするニュージーランド文化の動物観、自然観を考察、都市空間もそうした文化によって作り上げられていることを示した。
p.89〜p.103(全191ページ)